10月の社協だより vol.15

半年ぶりに緊急事態宣言も蔓延防止等重点措置も出ていない一見平和な日常が戻ってきました。このまま特効薬ができてくれるといいなと期待しつつニュースをみています。

さて、そんな2021年残り3か月の始まりですが、今回は非常に目にすることの多くなった単語 「ブレイクスルー感染」 について、少し調べてみました。
「ブレイクスルー感染」とは、ワクチン接種をしたにもかかわらず、その病気に感染してしまうことをいいます。 「ブレイクスルー」は「突破する」と訳されますが、ワクチンによって感染を予防・防御したところをウイルスが突破し、感染が成立してしまうような状態です。
効果の非常に高いワクチンでも、発症予防効果が100%でない限り、ブレイクスルー感染は起こる可能性があります。
一度罹ると「二度罹り」しない感染症もあれば、何度も繰り返し罹る感染症もあります。
前者には麻疹や水痘(水ぼうそう)などがあり、後者にはインフルエンザやロタウイルス胃腸炎、新型コロナウイルスなどがあります。これらの感染症にはワクチンがありますが、前者ではブレイクスルー感染は少なく、後者ではしばしば見られます。詳細は割愛しますがこれはウイルス増殖の経緯の違いのようです

ブレイクスルー感染のリスクは、コロナワクチンの2回目の接種完了から時間が経つほど高まるものと考えられています。例えば、モデルナ製のワクチンの2回接種を終えてから半年が経つと感染を防ぐ中和抗体は4分の1以下まで減少するという研究結果が出されています。
ただしワクチンによって重症化を防ぐ効果は高いレベルで維持されています。
ワクチンを接種していれば、ブレイクスルー感染が起こってもほとんどの場合、重症化を免れます。米国CDCのデータに基づき「ワクチン接種を済ませた人が、新型コロナウイルスのブレイクスルー感染のために亡くなる恐れは0.001%未満」と報告されています。

一方で、ワクチン接種後も感染の可能性があること、感染した場合は軽症でも人に感染させることがあることも考慮する必要があるでしょう。まずは「80%以上の集団免疫」になるまでは、一人一人の感染症対策が大切です。 マスクを着用せずに会話をしたり、 3密の場所に出入りしたりすると、他の人にうつしてしまう恐れがあります。ワクチン接種が十分に進んでいない間は、その人達に感染が拡がらないように、これまで通りの感染対策を続けていただきたいと思います。
参考資料 : 厚生労働省HP 新型コロナワクチンについて